医療/救急施設・介護老人保健施設(老健)・多機能型居宅介護施設・障がい福祉サービス施設等をご提供する、医療法人幕内会

山王台病院附属 眼科・内科クリニック

当院の白内障手術の特徴

よりよい裸眼視力をめざします

乱視を少なく

近年の白内障手術では、術後の近視や遠視などのコントロールを±0.5D程度の誤差のみで行えるようになってきています。ただし、手術後に乱視が残ってしまい、結局はメガネがないと見えない、という患者様も数多くおられました。当院では基本的に全ての患者様に対して、乱視を軽減する手術を行い、手術後に裸眼で運転免許が取得できるなど、良好な裸眼視力に回復される患者様が数多くおられます。
手術開始後の半年間では、術前に1.25D以上の乱視(角膜トポグラファーでの角膜乱視)があった症例では、ほぼ全例の患者様で乱視の軽減を実現しています。(術後は、オートレフ値による眼球の乱視の度数で比較しており、かなり良好な成績と言えます。)
また、当院では白内障手術以外の手術でも、乱視の軽減を積極的に行っています。例えば、硝子体手術などでもトーリック眼内レンズを使用したり、LRIを追加するなどを全ての患者様に行っています。

※当院で行っている乱視の矯正は保険診療内での手術手技のみとなっています(基本的には他の手術の追加で行っており、費用的には無料です)。現在の乱視矯正でもっとも精度の高い手術は、LASIKと呼ばれるレーザーによる手術です。LASIKは自由診療となっていますが、術後の乱視を最小限まで軽減したいという患者様には、提携医療機関への紹介を行っています。

  • 実際の乱視の対応方法の詳細

1.角膜乱視がほとんどない場合(0.25D以内)

手術の傷口が2.0〜2.4mmの経結膜角膜切開を行い、乱視がない状態を維持します。

2.角膜乱視が軽度の場合(0.5〜1.25D)

眼球の形・ゆがみに合わせて、白内障手術の傷口を作成します。(強主経線切開)
2.4mm程度の大きさの角膜切開を行っています。
(当院では上方切開、耳側切開、斜方切開の比率は、それぞれ5:3:2程度となっています。上方切開は感染のリスクが少ないとされるため、0.75D程度の倒乱視の患者様には上方からの切開を行い、トーリックレンズをいれるため、一般的な病院様よりは上方切開が多いかと思われます。)

3.角膜乱視がやや強い場合(0.75D以上)

乱視矯正の効果のある最新の眼内レンズ(トーリック眼内レンズ)を使用します。
(かなり高額なレンズですが、当院で手術を受ける3〜4割の患者様にこのレンズを使っています。)

4.角膜乱視が高度の場合

上記の2. 3. でも乱視が残ってしまうような高度な乱視や、他の病気があるなどで上記の手術が行えない場合には、ゆがみに合わせて角膜に切り込みを入れる手術(LRI)を追加しています。

最新の術前検査でピッタリの眼内レンズを

目の中に移植する眼内レンズには数え切れないほどの度数があります。それぞれの患者様にピッタリの度数を選択することで、強い近視であったひとが、手術後は裸眼で運転ができるようになるなどします。逆にいうと、ピッタリのレンズでないものが使用された場合は、「予定していたよりも遠くが見えない・近くが見えない」などの合併症が起こります。

一般的には、眼球の長さ(眼軸長)の測定と、角膜のカーブ(ケラト:角膜屈折力)の測定を行い、2つの数値から眼内レンズの度数を計算します。これまで眼軸長の測定は、点眼薬による麻酔をした後で、超音波という機器を眼球に押し付けて測定するA-モードと呼ばれる検査が行われていましたが、測定機器で眼球を押してしまうために、眼球の長さが短く計測されてしまうなどの誤差が生じることが問題となっていました。近年開発された光学式眼軸長測定器は眼球に触れることなく、測定することが可能になり、眼内レンズを選ぶ際の誤差を軽減することができます。当院では、最新式の光学式眼軸長測定器を導入し、さらに、微細な誤差の原因となりうる前房深度と呼ばれる測定値も計算に活用することができるようになっています。

また、高齢者や、以前に病気をした方は角膜の形状が均一でない場合があり、そのような場合は通常の角膜屈折力(ケラト)の測定では誤差を生じることが分かっています。当院では、このような誤差を起こさないようにするために、最新の角膜トポグラファーを導入しています。(フーリエ解析という角膜のゆがみなどを非常に詳細に検討・評価する機能も備わっています。)

<当院の白内障手術の特徴一覧に戻る